質点系において、(=物体を質点の集合としてとらえたとき)、質量中心と呼ばれる特別な点が存在する。それが質量中心である。まず以下の図のようなベクトルを定義する。
この時、ベクトルの関係は
\begin{align}
\boldsymbol{r’_i} = \boldsymbol{R}+\boldsymbol{r_i},
\end{align}
である。この関係式は以下のようにも表せる。
\begin{align}
\boldsymbol{r’_i} =\boldsymbol{ r_i}-\boldsymbol{R}, (1)
\end{align}
また、質点の運動として以下の式が成り立つ。この証明は「質点の力学」で示した。
\begin{align}
\sum^{n}_{i}m_{i}\boldsymbol{\ddot{r_i}}=\sum^{n}_{i=1}\boldsymbol{F_{i} }\tag{2}.
\end{align}
ざっくりまとめると、1つ1つの質点の質量と変位の二階微分(加速度)の積の合計は、それぞれの質点がける外力の合計に等しい、ということ。ニュートンの第二法則を質点から考えたものといえる。
さてこの式(1)と式(2)から以下の関係が成り立つ。
\begin{align}
\sum^{n}_{i}m_{i}\boldsymbol{\ddot{r_i}}=\sum^{n}_{i}m_{i}\frac{d^2}{dt^2}(\boldsymbol{R}+\boldsymbol{r’_i})=\sum^{n}_{i=1}m_{i}\boldsymbol{\ddot{R}}+\sum^{n}_{i=1}m_{i}\boldsymbol{\ddot{r’_{i}}}=0 .
\end{align}
ここで下の式が成り立つような位置ベクトルを定義する。(一旦上の二階微分方程式、式(3)から話をそらす)
\begin{align}
\sum^{n}_{i=1}m_{i}\boldsymbol{r’_{i}}=0,
\end{align}
これは図2のような位置関係にあたり、以下の関係も言える
\begin{align}
\sum^{n}_{i=1}m_{i}\boldsymbol{r_{i}}-\boldsymbol{R}\sum^{n}_{i=1}m_{i}=0. \tag{3}
\end{align}
$\boldsymbol{r’_{i}}$はベクトルでこのベクトルと質点の和が0となる点は物体の中心になる。
(オレンジの質点より左は負のベクトル$r’_{i}$を持つため、相殺されるイメージ)
この時の$R$を$r_{G}$と置くと、(3)式より、
\begin{align}
r_{G}=\frac{\sum^{n}_{=1}m_{i}\boldsymbol{r_{i}}}{\sum^{n}_{i=1}m_i},
\end{align}
と表せる。ここで、全質量を
\begin{align}
\sum^{n}_{i=1}m_i=M,
\end{align}とあらわすと、
\begin{align}
r_{G}=\frac{\sum^{n}_{=1}m_{i}\boldsymbol{r_{i}}}{M},
\end{align}
と書ける。
例題
三角形の頂点に質量$m$の質点がある。質量中心(オレンジ)の座標を求めよ。
\begin{align}
x_G=\frac{0+6+3}{3m}=\frac{3}{m},
y_G=\frac{0+0+3}{3m}=\frac{1}{m}
\end{align}
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